6月18日(水)、大阪医科薬科大学 医学部 講師の中尾隼三先生をお招きし、「抜歯から始まる再生医療 “親知らず”が脳損傷の救世主になる日を目指して」と題したSSセミナーを開催しました。
講義では、完全な治療が難しい脳損傷に対して再生医療をおこなうことの意義や、再生医療では多くの幹細胞が候補になる中で、親知らずに含まれる歯髄細胞もその可能性を十分に秘めているといった研究事例も紹介していただきました。医学の道に進んでも研究の道もあるということを先生の実体験を通じて説明いただき、生徒たちも関心を強くもって聞いていました。



参加生徒の感想
- 歯髄幹細胞が脳損傷の救世主になるということがどういうことか最初はまったくわからなかったのですが、マウスの実験なども交えた説明ですごくわかりやすかったです。iPS研究財団を見学したときに血液からiPS細胞をつくると聞いてハードルが高そうだなと思ったのですが、抜けた歯からつくられるというのは気軽でいいなと思いました。(中3)
- 親知らずを使用した再生医療という興味深い内容でとても楽しかったです。脳梗塞より脳損傷のほうが害が大きく、またどれだけ手術をがんばっても治らないと聞いたときは驚きました。普段大人たちが厄介者?として扱う親知らずが、治らないといわれる脳梗塞の損傷を治すというのは少しおもしろかったです。将来の進路の参考にします。(中3)
- 講演のタイトル(テーマ)を見て、「え!そんなことできるの!?」と思ってすごく興味がわきました。歯髄細胞はいろいろな良い条件がそろっているからこそ使えるのだとわかりました。将来親知らずを抜いた時、とっておこうと思いました。(中3)
- 歯髄幹細胞が脳梗塞、脳外傷などの神経再生医療に適した細胞の一つであり、神経細胞に分化しやすく、神経保護効果の強い細胞であり、再生医療で注目されていることがわかりました。今まで葉の神経が脳損傷の救いになるかもしれないと考えたことがなかったので、良い機会になりました。(中3)
- 今まで親知らずは役に立たない、いらないものだと思っていたけれど、脳の神経再生医療に役に立つと知ってとても驚きました。また、セルバンクで自分の歯の細胞をとっておくことで、将来大けがをしたときに役に立つというのがとても興味深かったです。(高1)
- 最近メディアで再生医療という単語をよくきくけど、あまりわからなかったが、親知らずに含まれる歯髄幹細胞という細胞で脳の損傷による麻痺などが軽減できるのだとわかりました。まだ仕組みはよくわからなかったけど、そのような研究からこれから多くの患者さんが救われるのはとてもすばらしいことだと思いました。(高1)
- 今は打つ手がないことでも再生医療で研究を進めることで、新たな方法を見いだせるのがすごいと思いました。(高1)
- 最初、講演のテーマを見たときに、なぜ歯と再生医療がつながるのかがずっと疑問だったけれど、お話を聞いてとても理解できました。数ある体の細胞の中から歯の中にある歯髄幹細胞に注目しているところがとても興味深かったです。私もスポーツ医学に興味があって、先生のおっしゃっていた通り整形外科の医者にすすもうと思っていましたが、ほかの道もあるということを教えていただきとても参考になりました。(高2)