- 2025年9月25日(木)16:00~17:30
- 大阪医科薬科大学医学部 病理学教室 准教授 石田光明先生
- 「がんを学ぼう!」
第7回基礎医学講座では、病理学教室より石田先生をお招きし、「がんを学ぼう!」をテーマにご講演いただきました。
「がん」という言葉は日常的によく耳にしますが、その実態について深く理解する機会はそう多くはありません。今回の講座では、がんの発生メカニズムや、浸潤・転移のしくみといった基礎的な知識から、顕微鏡写真を用いた病理診断の体験、予後マーカーの役割、さらには最新の治療法に至るまで、幅広い内容をわかりやすくご説明いただきました。
特に、実際の病理画像を見ながらがん細胞の特徴を学ぶ場面では、生徒たちの関心も高く、熱心にメモを取る姿が見られました。がん細胞と正常細胞の違い(核異型や構造異型など)を視覚的に理解することで、がんの病理学的な定義や診断の方法について具体的なイメージを持つことができたようです。また、がんの再発予測や細胞の代謝に注目した予後マーカーなど、がん研究の最前線に触れる貴重な機会となりました。
参加した生徒からは、「がんは誰にでも起こり得る病気であり、予防や早期発見の重要性を改めて実感した」「がんになってもすぐに命を落とすわけではなく、冷静に向き合うことが大切だと感じた」といった感想もあり、がんに対する認識がより身近でかつ前向きなものへと変化した様子がうかがえました。また、将来医療の道を志す生徒にとって、今回の講座は知識の習得だけでなく、進路への意欲を高める機会にもなったようです。


受講した生徒の感想
- がんの仕組みやその見分け方について理解することができました。がんの再発がタンパク質によってわかるということがわかり、驚きました。また、油を燃やしてガンが生きているということががんの発見に役立つことに驚きました。
- ガンは誰にでもなり得る確率がとても高いのに驚きました。普段から予防し、もしガンになった場合に早期発見できるように普段から健診とかをしていきたいと思いました。今日はありがとうございました。
- 日本人のうち半分が癌にかかってしまい、4人に1人が癌が原因でなくなっているということを聞き、思っていた以上に多くてとても驚きました。また、癌の5年生存率は約65%ということを知り、癌になってもすぐに死んでしまうと決まったわけではなく、もし自分が癌にかかってしまったとわかってもゆっくり落ち着いていこうと思いました。
- 癌細胞の代謝状態に着目した新規予後マーカーというのを初めて知りました。また、それらの画像を見てどれが癌細胞なのかを見分けられるようになり貴重な経験ができました。
- 私にとって「がん」は「早く治療しないとあちこちに転移して危ないらしい」というようなふわっとした認識だったのですが、そもそもどのような症状が起きるような病気なのか(細胞の増殖を狂わせる)を知ることができました。
- 今日のお話で今まで知らなかったがん治療後の予後のことを知ることができました。これからはより予後不良の方へのケアが大事になっていくと感じました。
- がんとは悪性腫瘍の総称であることや多くの人がなっていることは知っていましたが、がん細胞と正常な細胞の具体的な違い(核異型や構造異型など)について詳しく知ることができました。がん患者やそれが原因での死亡が多い今の世の中だからこそ、がんについての正しい知識を身につけることが大切だとあらためて実感しました。
- がんの実際の写真を初めて見てがんの具体的なイメージが得られました。将来医者になりたいと思っており、がんがどのようなものか興味があったので、がんの病理学的な定義や見つけ方、新しい治療法まで知れてとても面白かったです。本日はご講演ありがとうございました。
- 大腸がんの「がん細胞」を写真で見たり、写真から腫瘍の有無を判断したりするのは初めてで、とても貴重な経験ができました。また、タンパク質の発現で予後を予想したり、がん細胞のエネルギー代謝が大きく関係しているということを初めて学び、新しく知ることがたくさんありました。CAFsに対するアプローチ、治療法を通してより多くの人の命が救われたらいいなと思いました。本日は本当にありがとうございました。