5月20日(火)、京都産業大学 国際関係学部 教授の三田貴先生をお招きして、パラオフィールドワーク事前学習セミナーを開催しました。
 GAコースでは11月の研修旅行でパラオ共和国を訪問し、さまざまな活動を行う予定です。現在、課題研究も2年目に入り、各自が個人のテーマで探究活動に取り組んでおり、今回は探究活動をより深化するため「パラオを知る」を目的として講演いただきました。
 三田先生には毎年講演いただいていますが、今年度は「パラオに学ぶ その歴史とグローバル化時代の挑戦」というテーマでお話しいただきました。三田先生の自己紹介・パラオとの関係の話に始まり、日本の統治時代と戦争の話、戦後の独立と主権国家パラオの選択(アメリカとの関係史)、パラオの社会とそこに暮らす人・移動する人(伝統保持と移民の話)、観光・環境についての先進的取り組みと問題、安全保障の現在と、多岐にわたる最新のパラオ事情をお話いただきました。後半は「パラオの選択から学ぶ、私たちの未来」というテーマで本時の講義を締めくくられ、その中で、「発展途上国」「親日国」とわれわれが簡単に使用する言葉には、とても注意をして使わなければいけないこと、相手に敬意をもち信頼関係を築くことの大切さ、一方的でない、「ともに」という協働する学び合う姿勢の大切さなどたくさんのことを教えていただきました。
 その後は質疑の時間となり、新聞・書籍からは得られない重要なヒントをたくさん得ることができました。質疑は白熱し、答えきれなかった質問についても後日、回答いただけることになりました。
 夏休みを過ぎた文化祭の頃には、研究も一層進んでパラオでのフィールドワークも見据えることとなるため、改めて三田先生をお迎えし、第二回事前学習セミナーも予定しています。本日の事前学習で得たものがそれぞれの探究活動につながることが期待されます。

 

参加生徒の感想

  • パラオの歴史や文化や経済についていろいろ興味深い話が聞けて楽しかったです。11月のパラオ研修に対してぼんやりとしたイメージしか持てなかったのが、より確かなものになりました。僕の研究につながる話(医療など)について次のセミナーでより詳しく聞きたいです。
  • パラオのことは調べてもあまりでてこないが、三田先生の講義で「現在のパラオ」にいたった歴史の変遷までよく知れました。女性中心の社会(母系社会)であったといった、日本との違い、文化、気候における相違点までもしっかりわかった。自分の研究にも活かせそう!
  • みんなの質問を集めた一問一答の質問時間では、自分の質問ではないけど自分の研究のためになりそうな質問がいくつかあって、自分の研究に活かそうと思います。
  • 自分の思い込みで発言すると、相手を傷つけてしまうことがあることに気をつけなければいけないと深く思うことができました。何事でもコミュニケーションはリスペクトなんだと思いました。また、自分がパラオに対して持っていた疑問にも答えていただけたのでとても為になりました。