6月13日(月)6・7限に、中学3年GLコース「クリティカル・シンキング基礎」の特別授業として、朝日新聞社より江原健大氏、外園周二氏と細見真人氏をお招きして出前授業を行いました。

6限目は、「新聞記者の情報整理の仕方」を時事問題を通じて説明されました。メディアは間に入ってつなぐ役割なので聞くことが重要だ。多くの情報を集め、徹底した確認(裏取り)を行い、「見出し」「リード」「本文」の構成で“見える化”するといった情報編集の基本を解説されました。記事が出来上がる過程を実際の写真で見せていただくと、教室からどよめきが上がりました。

7限目は、「情報を複眼的に見よう」というテーマで進められました。ウクライナ情勢をめぐる情報の「正しさ」について生徒に問いを投げかけながら考えていきました。

さらに、副島英樹朝日新聞編集委員(元モスクワ支局長)から本校生徒宛の特別メッセージビデオが映され、約30年前に「東西冷戦の終結」を達成し、ノーベル平和賞を受賞した元ソビエト連邦大統領ゴルバチョフ氏の「新思考」(「相互尊重」と「対話と協調」、「政治の非軍事化」)を、ロシアのウクライナ侵攻を解決する手がかりとして紹介されました。生徒たちは相手をよく知り、ものごとを複眼的にみることが今の時代にこそ重要だということを学びました。

生徒の感想

  • 新聞がどのように作られているのかや、新聞は徹底した取材と確認でなるべく正確になるように作られていることなど、出前授業でしか聞けない情報をたくさん教えてくれて、とても面白かった。しかしながら、メディアにはどれだけ努力しても制作者の主観が多少入ってしまうので、ひとつのメディアの情報を鵜呑みにしない方がいいと思いました。
  • 私は、ゼレンスキー大統領の言っていることは全て本当だと思い信じていたけれど、そうではないかもしれないと思うことも大切だと思いました。亡くなった方の数を多く公表してもよいことなんてないと思っていましたが、他国からの同情を得られるという意見を聞いて確かにそうだなと思いました。一つの思考しか持たないのではなく、いろいろな視点から物事を考えることが大切だと思いました。
  • 副島さんのロシアに住んでいたからこそ分かる考え方や意見を聞いて自分は物事を客観的に見ているつもりになっていたが、その視点も日本の文化や思考の影響がつよく、ある意味主観的だといえると思いました。 また、ロシアを非難するだけではいけないという考え方に驚かされました。