- 2025年6月6日(土)
9月6日(土)、高1GLコース「課題研究(科学倫理)」の授業で大阪大学社会技術共創研究センター 講師の長門裕介先生をお招きし、「先端技術を倫理学のレンズで見る」をテーマでご講義いただきました。
長門先生は、先端技術(エマージング・テクノロジー)を「たんに技術的に新しいだけでなく、私たちの生活を大規模に変えてしまう可能性をもつもの」とし、「どんな選択をすればよりよく生きられるのか」「何が正しい行いなのか」「どのような社会のルールが望ましいのか」という倫理学(エシックス)の観点から議論することの重要性を説かれました。
そして、特権的立場の盲点として「既存のシステムで恩恵を受けている人は、システムの問題に気づきにくい」とされ、技術を倫理から見る目線では「現在弱い立場にある人をさらに弱くしない」という根本原則を示されました。
講義の後半では、事前に生徒から提出された考察カードの中から5つの観点を取り上げ、それぞれに的確なご指摘をいただきました。その中では、「落としどころのない議論は失敗である」「論破は議論として意味がない」という探究的な学びの基本的態度にも言及されました。
聴講した生徒は、熱心にメモを取るとともに、「様々な立場の人の視点に立って考える必要がある」など、先生の発する一つひとつの言葉を自分なりに咀嚼し理解を深めていました。



