• 2025年6月5日(木)16:00~17:30
  • 大阪医科薬科大学医学部 法医学教室 准教授  片木宗弘先生
  • 「犯罪を”科学”する」

 2025年度も大阪医科薬科大学医学部との高大連携事業である「医学基礎講座」がスタートしました。
 この講座は医学に興味のある高校1年生と2年生の希望者を対象として、大阪医科薬科大学の基礎医学系の先生方によるオムニバス形式の講義で、今年度も100名を超える生徒が受講しています。
 第1回の講義では、法医学分野についてのお話でした。かつて科学捜査研究所(科捜研)で勤務されていた経験から、オウム真理教によるVXガス事件や、近年社会問題となっているデートレイプドラッグを題材に、「それらが使われたことを特定する作業」の困難さと、その社会的意義についてお話くださいました。
 生徒たちは、化学や薬学の知識を基に犯罪を科学的に立証できることを知り、自分たちが学んでいる内容が将来、社会への貢献が繋がることを実感しながら、講義に強い関心をもって耳を傾けていました。

受講生徒の感想

  • 詳しいお話で、とても面白かったです。学校で学ぶ化学がこんな風に役立つと事例を知れたのはとてもいい経験になりました。
  • 今まで法医学と聞いてもドラマでの死体解剖くらいしかイメージが無かったのですが、今日の講演を通して、犯罪時期、薬物の特定、また痴漢の犯罪者の特定なども法医学の力でできることを初めて知り、単に犯罪者を特定したり死因を究明したりするだけでなく、被害者や遺族など多くの人の精神的負担も減らすという意味で社会貢献もしているんだなと感じました。
  • 自分が聞いたことくらいしかなかった科捜研の話について、具体的な事件例や身近な話を含め、大変学びが多い講義でした。特に尿だけでなく頭髪から事件を解明できるというお話は薬を使ったことの履歴書のようなものだなと思いました。
  • 事件の状況から調査・分析することで事件がどのようなものだったのか明らかにすることができることは被害者にとって被疑者と戦っていくうえでとても心強いことだと感じました。
  • ご講演ありがとうございました。事件の立証例を聞かせていただいて、疑問に思うことは何回も繰り返すと原因を突き止められ、また出したい結果から逆算して考えることで証明できることが分かりました。この力は高校生であっても養うことができると思うので、日々疑問を持つこと、やりたいことがあれば逆算して計画することを心掛けたいです。
  • 本日はお忙しい中ありがとうございました。科捜研は事件などが起きたときに薬学の知識を活かして起因を捜査する仕事だと分かりました。このように犯罪を暴くには警察、刑事などだけではできず、科捜研など理系の人の力も必要だと分かりました。講義を聴いて法医学分野にも興味を持つことができました。ありがとうございました。