5月3日(土)~5日(月)にかけて、ボランティア委員会の中学生・高校生15名が地震や大雨で被災した能登へボランティア活動に行ってきました。
事前学習
ハンドマッサージ講習会
まずは現地の様子を調べ、先方のことを考えながら自分たちのすべきことを話し合い、準備を進めました。2日目の仮設住宅地でのサロン型ボランティア活動のため、佐賀女子高等学校とオンラインでハンドマッサージのスキルを学びました。




募金・ニット回収ボランティア
能登半島ボランティアに参加する生徒だけでなく、防災に興味関心のあるボランティア委員会の生徒で、能登半島募金と1日目のボランティアハウスの壁に断熱材として利用されるニットのセーターやカーディガンの回収ボランティアを行いました。
この活動を理解し協力いただいた人たちの想いを、石川県にしっかり伝えなければいけないと強く感じました。


能登ボランティア活動
1日目
石川県に入ると、屋根上のブルーシートが目立ち始め、地震や豪雨により土砂崩れが生じた場所も多く見られました。道路の片側1車線が制限されていたり、サービスエリアの一部が閉鎖されていたりと、まだまだ復興が進んでいない場所があることを痛感しました。


輪島では、ボランティアハウスの建築作業や、崩れてしまった蔵の壁材とするための瓦の仕分け作業を行いました。事前学習の一環として生徒たちが回収したセーターなどは、ボランティアハウスの壁の断熱材として使用され、実際に自分たちが集めたものがどのように活用されるのかを見ることができました。瓦礫の整理では、現在は能登瓦を製造する職人の数も減少していることから、再利用できる瓦と、蔵の基礎に埋める瓦とを丁寧に選別しました。地震によって外れた瓦の多さに驚かされ、作業中、当時の状況についてお話を伺うことで、地震の恐ろしさをより深く実感しました。また、ボランティアスタッフ用の仮設トイレの建築では、他校の生徒が組み立てた骨組みに対し、高槻生が壁となる板を打ち付けていきました。それぞれの活動が次につながるボランティアの一環となり、生徒たちは大きな達成感を得たようです。






2日目
崩れ落ちたところを避けるように、本来は真っすぐの道が上下左右に大きく曲がっており、マグニチュード7.6、最大深度7の地震の凄まじさを痛烈に感じるところが何ヶ所もありました。


午前中は志賀町立富来中学校へ行き、交流を行いました。レクリエーションでは、本校からはラジオ体操を行いました。事前にラジオ体操のカードを自作し、より深い交流の機会を得ようと工夫していました。その後7班に分かれ、地震時の壮絶さや現在に至る様子を伺いました。大きな災害が人に与える影響の大きさを実感するとともに、被災地に残る人々の心のケアの重要性を考えさせられました。
交流会を通じて印象深く心に残ったことは、富来中学校の生徒も教員も被災し、復興しきれていないこの状況下でも、物事を選別し、生徒教員が協力して今できることを行っていたということです。被災した校舎は2024年の8月に訪れた時と変わらぬ状況下でも、学校全体で本校を温かく迎え入れていただきました。









その後、増穂浦の海岸へ移動し、一緒に海岸清掃を行いました。被災した海岸には様々なモノが漂着しており、その大きさや量の多さに衝撃を受けました。生徒たちは、少しでも海岸をきれいにしようと、一生懸命ゴミを拾い集めました。清掃活動中、富来中学校の生徒と本校生徒がまるで同じ学校であるように楽しく話をする姿が印象的でした。また、増穂浦海岸には「桜貝」という珍しい貝が生息しており、ゴミ拾いを通じてその地域の生態を守ることの重要性や、その地域の環境を保全することが地域の活性化につながることを学ぶ機会となりました。










午後は、仮設住宅の一つの「とぎ第8団地」を訪れました。地震により廃校となった小学校の跡地にある集会所で、サロン型災害ボランティアを行いました。最終的には10名以上の方々が集まっていただき、ラジオ体操やハンドマッサージなどを行いました。この地域では未だ水道インフラが整っていない部分もあり、生徒は事前学習で限られた場所や物で行えることを模索し、企画を一から作るなど準備を重ねてきました。ボランティア活動中は集まっていただいた方々の様子やその場の雰囲気から、臨機応変にプログラムを変更したりと、生徒は仮設住宅でのサロン活動を通じてボランティア活動の基本の考えである「現地のニーズ」に気づくことができました。








3日目
金沢研修として、金沢城や兼六園を見学しました。2時間だけの滞在でしたが、快晴の下、食事を含めた金沢の文化を感じ取ることができました。金沢城にも震災の被害が感じられる箇所も残っておりましたが、同じ石川県下でありながら金沢と能登とでは全く状況が異なることを肌で感じました。






今回ボランティア期間中に利用した宿泊施設では、布団の準備や片付け、掃除など、すべて自分たちでする必要がありました。自分のことは自分で行う機会を持つことができ、精神的にも成長することができました。朝の集いでは高槻生が旗揚げを行い活動の目的や内容を発表するとともに、他の団体の発表を聞くことで改めて自分たちの活動に対する意識が高まりました。また夜のミーティングでは、活動の振り返りとして発表を行い、次の活動に向けて真剣に意見交換をしていました。






事前研修と2泊3日の本研修を通じて、生徒たちは防災・減災、そして復興について深く考える貴重な機会を得ることができました。石川県の現状を自分の目で見て、現地の方々と直接交流した経験は、今後のボランティア活動やキャリア形成にも大きくつながっていくことと思います。
今回の研修は非常に多くの方々のご協力により実施することができました。改めて御礼申し上げます。