9月2日(木)放課後、「基礎医学講座」第2回をCOVID-19 の予防のためオンラインで開催しました。

講師は大阪医科薬科大学衛生学・公衆衛生学教室 神谷訓康先生で、テーマは「予防医学の視点」でした。

オンラインでの開催でしたので写真はありませんが、受講生の感想を以下にいくつか紹介します。

なお、感想に目を通した神谷先生からは、

「対面でお話しできなかったことは残念でしたが、非常に良いポイントを突いた質問を多く受けることができ、私としてもとても楽しかったです。感想についても目を通させてもらいました。とてもよく話を聞いてくれていたのだろうなという生徒さんもいて、嬉しく思います。」とのコメントをいただきました。ありがとうございました。

生徒の感想

  • 今まで脳梗塞や心筋梗塞などは高齢者の方しかならないというイメージで、自分とはまだ関係ないと漠然と思っていたけれど、生活習慣が悪いとなりやすいと知って今からちゃんと規則正しい生活を心がけて運動したり食生活を見直したりしようと思った。また、納豆は好きな方だけれど最後に食べたのが小学校の給食ぐらいなことに気づいて、私は今まで一回も骨折したことがないけれど、痛いのも不自由なのも嫌なので納豆を積極的に食べようと思った。他にも、自分で体によかったり病気の予防になる食べ物や習慣、逆に体に悪いものなどを調べてみたいと思う。
  • 衛生環境に気を使う必要性を、戦争を例に挙げて死亡率が下がった等の具体的な数値(42%→5%等)や、他のことについてもグラフがたくさん使われておりより理解のしやすい講義だったと感じました。個人的に、握力の話を聞いてそんなこともあるのかととても興味が湧きました。後は、やはり一番大事なのが予防だということを重点的に説明して頂けたのがとてもためになったかと思います。この講義を受講することができて本当に良かったです。
  • データの関連性を見つける分析疫学は情報化がますます進んでいる現代社会において、多岐に渡るデータの関連性を人が考えてひとつひとつ実験するのではなく、一見関係の無いようなデータも全てコンピューターにダウンロードし、クラスター分析をするとより良い結果を得られると思った。しかし人が一見して関連性がわかりにくいようなデータは、本当に効果があるとしても、因果関係がわからないので多くの人はあまり信用せず、効果があると言われた行動をしなくなってしまい、結果的にははっきりとした効果がわからなくなるとも思った。やはり、健康は一人一人が意識することが大事なので、健康に気をつけて生きていこうと思った。
  • 予防医学という専門的なお話を聞けて良かったです。特に印象に残ったことは、兵庫県の骨折発生率が高いということです。まず地域によって骨折発生率が違うことに驚いたのですが、関東と関西でこんなに差があるということがとても興味深いなと思いました。また、これに納豆が関連していることも面白いなと思いました。さらに研究が進んでこれが明らかになってほしいなと思います。オンラインでしたが、対面と同様に色んなお話が聞けて、貴重な経験ができました。
  • 納豆の摂取量が骨折のリスクと関係している、という内容がとても興味深かった。私は骨折発生率の高い阪神間に住んでいるのだが、思い返してみると納豆を家庭で食べたことが全くないため、骨折しやすいのではないかと少し不安になった。また、ナイチンゲールの成果として、「ひとり」ではなく「みんな」をみることの重要性があげられたが、私はナイチンゲールの「病気ではなく、病人をみる」というのをふと思い出した。ナイチンゲールは1つのことだけに注目するのではなく、全体を広く見渡すように心がけていたのかと思うと、この考え方は公衆衛生において大変重要なことだと感じた。握力の強弱や納豆の摂取量などのほかに、骨折リスクと関係しているものを調べてみたいと思った。
  • 予防、疫学、公衆衛生とは何なのかということを詳しく教えていただき大変面白い講義でした。今回の講義で一番驚いたのは、東日本よりも西日本の方が骨折する人が多いことです。また、納豆に骨折を防ぐ効果があるということも驚きでした。
  • 目の前の患者に対応して医療行為を行うだけでなく、データを集めて健康への取り組みの方針を打ち立てるという切り口の医療もあるということを学びました。統計という根拠をもってのアドバイスは多くの人の心を動かすことができると思うので、人の命を救う一つの道になっていると思いました。
  • 理学療法士という職業について名前しか知らなかったのですが、今回の基礎医学講座を聞き、その職業がどのようなをのなのかということを知ることができました。その他に、兵庫が最も骨折率が高い、や納豆と骨折率が関係しているなどという新たな知識を学ぶことができ、とても興味深い話を聞くことができてよかったです。
  • 貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。最近は公衆衛生という言葉をよく聞きますが具体的にどのようなことを行なっているのかは知らなかったのでとても勉強になりました。一つのことについてだけでなく一人でさまざまな分野についてデータの分析をされていることに驚きました。また、すぐに因果関係を結びつけるのではなくしっかり検証することが大切なのだと分かりました。
  • 骨折のリスクと握力に関係性があると初めて知りありえないとおもっていたので愕きました。この講座を通してもっと鍛えていかなければいけないなと思いました。今、コロナウイルスが流行っていて一向に止みそうもなくむしろ感染者数が増えていくばかりなので予防対策をしっかりしていかなければいけないなと思いました。ナイチンゲールの話は有名なので知っていましたがやはりすごいなと心から思い、自分も将来大きな実績を残せるような大人になるために今しっかりと勉強していこうと思いました。
  • 大学での研究などがグラフでわかりやすく記されておりとてもわかりやすく、多くを学べました。特に納豆と骨との関係や握力と骨折のリスクなどは身近なことなのでとても面白かったです。
  • 感染症に対する予防医学のお話を以前聞いたことがあり、非感染性疾患に対する予防医学についても興味があったので、今回伺うことができて嬉しかった。心筋梗塞などの死亡率は下がっているのに膵臓癌や乳がんの死亡率が下がっていないことが意外だった。比較的年齢が若いときに罹患する可能性のある疾患に対しての予防が難しいと感じた。年齢が若い時から検診をしっかり受けることが大切だと思った。
  • 病気になった後に何かするのではなくて、病気になる前に予防をするという医療のアプローチの仕方を知れて良かったです。ナイチンゲールの話を聞いて、生活環境の変化で死亡率が大きく下がったことを知って公衆衛生は大事だと思いました。骨折の予防に納豆がそれほど大きな効果があると知って驚きました。グラフや図が多くてとてもわかりやすかったです。ためになる話をありがとうございました。
  • ナイチンゲールの成果を例にとって下さったお陰で公衆衛生は集団が対象だということがとてもよくわかりました。リスクはかけ算のようになり、リスクを軽減するには改善すべきところを全て直す必要はなく、どれか1つから直していけば良いということには驚きました。納豆の摂取量の違いで骨折のリスクが変わることや、西日本の方が骨折のリスクが高いことにも驚きました。分析疫学は「関連」を見つける研究なので、一見関係がなさそうに見えても実は関係していたということを発見できる分野なのかなと思い、興味がわきました。素晴らしい講演をしてくださりありがとうございました。
  • 今日の講演で特に興味を持ったことはインターバル速歩です。今まで歩くことは健康には良いけれど、しっかり運動した方がより健康に良いと思っていたので、インターバル速歩がかなり効果があると知って驚きました。骨折の発生率が西日本と東日本ではっきりと差が出ていたのも面白いなと思いました。公衆衛生というあまり馴染みの無い分野でしたが、神谷先生の説明が分かりやすく、とても参考になりました。ありがとうございました。
  • 実際に患者さんを治す臨床とは別に、個人ではなく集団に対して病気を予防する公衆衛生というものについてよくわかりました。今まで臨床の話しか知らなかったけれど、新たな視点に目を向けることができてよかったです。
  • 医療と聞くとやはりどうしても病気を診断、診察、治療することを想像してしまうが、本当に大切なのは予防でしっかり病気にかかる人や生活習慣の悪い人に注意喚起しなければいけないと分かった。そして血圧などの人口平均自体を下げることによって病気にかかる人を地域全体として減らす一時予防というものがあることも初めて知り、驚いた。兵庫県民としては兵庫県全体の骨折率が高いことも意外で、自分も含めて他と何が違うのか考えて生活してみたいと思った。