過去2年、実施を見送ってきた夏期海外研修(高1米国研修・高2英国研修)を、この夏、何としても再開したいという思いで、2月より準備を進めてきましたが、7月に入って再びコロナの感染拡大が勢いづくという逆風の中、ついに7月23日に高2生29名が英国に、7月25日に高1生44名が米国に向けて発ちました。私自身はプログラム内容の点から米国研修に引率責任者として同行することにしました。なお、両研修とも、すでに本校のHPで紹介されていますので、本コーナーでは米国研修について、校長視点で少しお伝えします。

 今年度の米国研修は、

  1. ボストンでのメイン研修
  2. ロードアイランド州のプロビデンス・カントリー・デイスクール訪問と学校交流
  3. ニューヨーク観光

の3本柱から構成されています。1.と2.について、以下に少し述べたいと思います。

 1.については、Harvard大学の校舎で5日間にわたりHarvard Student AgenciesのTutoring部門に所属する同大学生による指導で実施しました。5つの研修テーマ(Developing a Growth Mindset, Importance of  Cross-Cultural Communication, Entrepreneurship, Good Decision-Making, Tips for Public Speaking and Presenting )が設定され、それぞれ1時間の枠で解説と意見発表、意見交換が行われました(写真⑧〜⑩)。生徒の英語レベルに基づきクラス分けをしましたが、どのクラスもよく健闘していました。ことに最上級クラスは全くの自然体で授業を受け、英語での途切れることのない意見発表が続き、極めて積極的な学びの姿勢が感じられました。過年度と比べ、本校生の英語力の伸長を強く感じました。研修最終日は個人別に最終プレゼンテーションを行い、最後に代表生徒3名が研修の総括を述べ(写真⑪)、私から全体講評を行いました(写真⑫)。またMassachusetts College of Pharmacy and Health Scienceを訪問しStephen Kerr教授からグローバルヘルス・ケアについての講義も受けましたが(写真⑬)、生徒はしっかり授業についていき、ワークショップもよくこなしていました。Harvard Medical School, Harvard Business School の立派な建造物の前で記念撮影をしました(写真⑥⑦)。

 2.については、訪問先のProvidence Country Day Schoolは今年度からスタートしたUS.DDP(デュアル・ディプロマ・プログラム)を提供するハイスクールであり、私も一度学校訪問し、学校の様子等を確認しておきたいと思っていたため、今回、位置的にボストンとニューヨークの中間点にあるプロビデンスに立ち寄る行程を立てました。同校には、歓迎セレモニー、校内ツアー、体験授業、屋外での昼食会等を催して頂き、和やかな学校交流の時間となりました。歓迎セレモニーでは本校生が本校・日本紹介のしっかりとしたプレゼンをしてくれました。私もKevin Folan校長と一定の信頼関係を作ることができました(写真①〜⑤)。

 帰国前のPCR検査で、私を含め複数の生徒が陽性となり、帰国が5日遅れ、関係の皆様にはご心配をおかけしました。もとより改善点はいろいろありますが、コロナのリスクを恐れ、今年も実施を見送るという選択肢を取らず、リスクを取ってでも実施して正解であったとあらためて思います。高槻のめざすグローバル教育のコアがこのプログラムに込められているからです。生徒たちにぜひ体験させたい、この思いに尽きるのです。